駐車場経営とコインランドリー経営で悩んでいませんか。どちらも優れた土地活用方法ですが、特徴は異なります。それぞれのメリットとデメリットを紹介するので、参考にしてみてはいかがでしょうか。このページをみれば、駐車場経営とコインランドリー経営のどちらを選べばよいかがわかるはずです。
土地活用で駐車場経営とコインランドリー経営を比較
最初に、駐車場経営とコインランドリー経営を比較します。
比較ポイント | 駐車場経営 | コインランドリー経営 |
開業資金 | ◎ | 〇 |
利回り | △ | ◎ |
個人経営 | 〇 | 〇 |
フランチャイズ経営 | 〇 | 〇 |
税制面の優遇 | △ | 〇 |
開業資金の目安
駐車場は月極駐車場とコインパーキングに分かれます。月極駐車場は、アスファルトを敷く、柵を建てるなどだけでよいので、少ない開業資金で始められます。コインパーキングはロック板や精算機などが必要なので、月極駐車場に比べ開業資金は多くなります。ただし運営会社に土地を貸し出す一括借り上げであれば初期費用0円で始められます。コインランドリーの開業資金は1000~2000万円程度が目安です。開業資金だけで比べると、駐車場のほうが始めやすいかもしれません。
利回りの目安
利回りは投資した金額に対する収益の割合を表します。例えば100万円の投資をして4万円の収益を得られれば、利回りは4%となります。駐車場経営の平均的な利回りは月極駐車場・コインパーキングとも4~6%程度、コインランドリー経営の平均的な利回りは10~20%程度といわれています。コインランドリーのほうが、投資した資金を回収しやすいといえるでしょう。
個人・フランチャイズ
駐車場経営、コインランドリー経営とも、個人で始めること、フランチャイズに加盟して始めることができます。この点に大きな違いはありません。
税金
駐車場経営とコインランドリー経営は、税制面にも違いがあります。最も大きな違いといえるのが、小規模宅地等の特例の適用です。小規模宅地等の特例は、一定の条件を満たす宅地等の相続税評価額を減額する制度です。駐車場は敷地上に構造物がある場合に限り200㎡を限度に50%の減額、コインランドリーは400㎡を限度に80%の減額を受けられます。税制面の優遇は、コインランドリーのほうが受けやすいといえるでしょう。
出典:国税庁:No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4124.htm
どんな土地が駐車場やコインランドリーに向いている?
続いて、駐車場とコインランドリーに向いている土地の特徴を紹介します。
駐車場に向いている土地
一般的に、以下の条件を満たす土地は、駐車場に向いているといわれています。
・前面道路の幅が広い
・前面道路と駐車場の高低差が少ない
以上の条件を満たす土地は、駐車しやすく、造成の必要性が低いため、駐車場に向いていると考えられます。必要な広さは、乗用車1台あたり5~7坪程度です。2~3台分程度の駐車スペースで運営している駐車場(10~15坪程度)もあります。
月極駐車場・コインパーキングに向いている土地
月極駐車場とコインパーキングでは、向いている土地が異なります。月極駐車場に向いている土地は以下の通りです。
・住宅地にある土地
・オフィス街にある土地
コインパーキングに向いている土地は以下の通りです。
・商業施設の近くにある土地
・駅の近くにある土地
コインランドリーに向いている土地
一般的に、以下の条件を満たす土地はコインランドリーに向いているといわれています。
・生活道路に面している
・駐車場を用意できる
周辺地域に住んでいる人が日常的に使用する道路に面している土地は、コインランドリーに向いていると考えられます。普段の買い物などとあわせて利用できるからです。駐車場の必要性は立地条件で異なります。郊外などの場合は必須と考えるほうがよいでしょう。駐車場を設置しない場合は、15坪程度からコインランドリー経営を始められます。
駐車場経営のメリット・デメリット
続いて、駐車場経営のメリットとデメリットを紹介します。
メリット
最も大きなメリットは、大きな初期費用を必要としないことです。具体的な金額は駐車場の広さや設備などで異なりますが、いずれにせよコインランドリー経営より手軽に始められます。条件に恵まれている土地であれば、一括借上げを利用して初期費用0円で駐車場経営を始めることも可能です。開業までに必要な期間が短い点も魅力といえるでしょう。駐車スペース10台程度のコインパーキングであれば、着工から3週間程度で開業できます。
デメリット
最も大きなデメリットは、収益性が低いことです。基本的にはローリスクローリターンなビジネスといえるでしょう。参入障壁が低いため、競争が激化しやすい点にも注意が必要です。競争が激化すると、価格競争に陥ることが少なくありません。価格以外で差別化を図りづらいからです。値下げに踏み切ると、もともと低い収益性はさらに低くなってしまいます。以上のほかでは、小規模宅地等の特例の適用を受けづらい点もデメリットとして挙げられます。相続税対策で土地活用を検討している方には向いていないかもしれません。
コインランドリー経営のメリット・デメリット
続いて、コインランドリー経営のメリット・デメリットを紹介します。
メリット
最も大きなメリットは、収益性が高いことです。先ほど紹介した通り、コインランドリーの利回りは10~20%程度といわれています。初期投資額は大きいですが、経営が軌道に乗れば短期間で回収できます。共働き世帯や高齢者の増加により、需要が拡大している点も見逃せません。景気動向に左右されづらい点を含めて考えると、将来有望なビジネスといえます。競合店と差別化を図りやすい点も魅力として挙げられます。例えば店舗の内装や間取りを工夫して高齢者に特化する、コインランドリーの一部をカフェに変更して集客力をアップするなどが考えられます。競合店が現れても、値下げに頼らず売り上げを維持することは可能です。
デメリット
最も大きなデメリットは、1000~2000万円程度の初期投資が必要になることです。手持ちの資金によっては借り入れが必要になります。初期投資額を抑えたい場合は、設備機器を買取りではなくリースにするとよいかもしれません。無人経営が基本なので、さまざまなトラブルが予想される点にも注意が必要です。例えば設備機器へのイタズラ、下着泥棒などが考えられます。防犯カメラを設置する、店舗総合保険に加入するなどの対策が必要になるでしょう。
メリット・デメリットを理解して自分に合っている方を選ぶ
駐車場経営、コインランドリー経営とも優れた土地活用方法ですが、メリット・デメリットは異なります。土地活用の目的にあわせて選ぶことが重要です。収益性を重視したい方には、コインランドリー経営をおすすめします。初期投資額は大きくなりますが、経営が軌道に乗れば短期間で回収できます。駐車場経営に比べ、将来性が豊かな点も魅力です。コインランドリー経営に興味のある方は、経営をサポートしてくれるパートナー企業に相談してみてはいかがでしょうか。